吹きガラスを依頼するとガラスの中央に小さな傷のような丸い跡が残っています。
これはポンテ跡といわれるものです。吹きガラスは吹き竿でとった硝子のタネに吹き込み、モール型などを使って形作ったり、口を広げたり模様をつけたりして形を作っていきます。その際、吹き竿からポンテ竿と呼ばれる空洞のない竿に付け替えます。
その際、ガラスの底の中央には橋渡しをするための接着剤として小さなガラス種を使用します。このガラス種のことをポンテといいます。最終的にはガラスから切り離すのですが、そのあとが残るんですね。ポンテとはイタリア語で「橋」を意味します。熟練された職人さんは、微量のガラスだけで竿に付け替えるので鉄ポンテともいわれるそうです。
いずれにしても、あとは残ります。
このポンテ跡、きれいに削って磨いたり、手を切らない程度に削るだけにしたりと作家によって処理が違ってます。ある作家さんは、今ポンテ跡を処理をしないでいかにきれいに残すかが腕の見せ所と話されてました。
おへそのようで、残しておくのも良いですよね!
ですが、サンドブラストで彫刻する際に、ポンテ跡が非常に邪魔になることがあるんですね。それで跡形が無いように磨いてもらうのです。
この写真のものはシリーズで吹いてもらったものの一つ。
底面にはサンドブラストの彫刻はありませんが、シリーズのため同じように磨いてもらいました