日別アーカイブ: 2017年10月29日

鯉の縁起

鯉をこよなく愛しているのだと鯉そのものに惹かれる方。
竜門伝説の鯉の滝登りが就任された先方に重なって良いからいう方。
社長という大役に 就かれた方に、高い志を持って、まさに「鯉登」のようにとの思いをから適切だと考えられた方などなど

ご依頼いただく理由は似てても、一つ一つに込められる思いが違い、お伺いする度に形にしていく責任をひしひしと感じます。


縁起の話ーーーーーー

鯉が縁起物であるのは、古くは古代中国の夏の時代の伝説によります。
禹は大洪水の後の治水事業に失敗した父の後を継ぎ黄河の氾濫をくい止め、その功績が認められ、のちに夏王朝を建国します。禹が治水した黄河の竜門を遡った鯉が昇天し龍になったのです。この伝説から後漢の終わりころ出世する関門を登竜門と呼ぶようになったのです。
鯉が跳ねると、吉兆というのは、これが由来です。
縁起としては「鯉の滝登り」が立身出世のシンボルで、また強く長寿であることも特徴ですね

日本では端午の節句に男の子の健康と立身出世を願ってお祝いをする習わしがあります。江戸時代の武家で始まったものでいわゆる外飾りというものです。

ところで滝を登り切り、晴れて龍となると、今度は龍の成長があります。最古の経典である易経に記されている龍の話です。まだ時機を得ず、認められていない時代。この時期は潜龍と呼ばれる時代で確固不抜の志を確認するとき。見龍、君子終日乾々の時代、躍龍とそれぞれの時を迎え、飛龍となって雲を引き連れて雨を降らしていくのです。雨は人々にとって必要不可欠のものです。龍が雲を引き連れは目を降らすさまは、部下たちがリーダーに伴って社会に貢献していくのと同じ姿です。そんな素晴らしいリーダーもいつかは亢龍の時を迎えます。でも高みに上りすぎようと部下がついてこれないほどに独裁になると、早々に失墜し亢龍の時を迎えてしまいます。
(参考:『人生に生かす易経』竹村亞希子氏著より)

いつも応援してくれる人、ついてきてくれる人がいることを心にとめる。その意識があると誰もついてこれないほどに上ろうなどとは思わないでしょう。そして、鯉の時代の初心も忘れない。そんな思いをこめて作ってます(^^)

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