月別アーカイブ: 2018年4月

女は男に本を、男は女に赤いバラを贈る日

今日23日はサン・ジョルディの日。スペイン・カタロニア地方で守護聖人サン・ジョルディを祭り、女は男に本を、男は女に赤いバラを贈る習慣があります。この習慣に感銘を受けた竹村亞希子 さんが日本カタルーニャ友好親善協会準備委員会を設立し、日本書店組合連合会とともに1986(昭和61)年制定。当時、バイトばかりで本を読む習慣のなかった私が、「本を贈ろう」だったかコピーが印象的で、これをきっかけに本を読むようになりました。もう32年前・・・

そして、23日は、ふみの日でもあるのですよ。
ところでラブレターって、今でもあるのでしょうか?少し前までならラブメール?コミュニケーションはソーシャルの時代、、、なんて言ったらいいのでしょう?若い人たちはラブレターなんて書いたことないでしょうね。

話はいろいろと飛びますが、恋文という古い映画があります。男女の感情の機微がち密に描かれている名画。昔の恋人から届いたラブレターがドラマとなっていきます。ショーケン演じる感情に素直過ぎて周りを振り回すダメ男っぷりと倍賞美津子演じる妻。ラブレターをしたためた言葉、人を翻弄する言葉、一人を喜ばせるためにつく嘘の言葉、嘘の言葉で傷つくものもいる。言葉と感情を深く感じる映画です

言葉って重いですよね。言葉は人を幸せにもするし、傷つけることもできる。
コミュニケーション過多な時代、紡ぐ言葉を大切に考えたいものです。

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ギフトの満足度? 足るを知る者は富み~より

日々ギフトのお仕事をしていると、その方の人間関係に少し触れることが多くなります。ギフトなので、往々にして内容はポジティブなものが多いです。もともと良好な関係だけでなく、例えば、関係が希薄になってきた中で「就任のお知らせをもらったのだけど、何を贈ったらよいのかわからない」とか「これを機に良いお付き合いをしたい」とか「遠方なので、何か記念になったり思いが伝わるようなものを贈りたい」とかです。

そんなご相談時に、頻繁に出てくる言葉が
「 満 足 す る 」

ギフトを受け取られる先様はもちろんのこと、贈る側も最終的には満足が必要になります

この「満足する」というのは文字通り『満ち足りる』もの。それに大きく感情がかかわってきます。物質的に満ち足りていても、心が満たされなければ、満足という言葉は出ないからです。

心が満たされるためにはたくさんのハードルがあります
たった一つのミスが台無しにすることもあるけれど、小さな思いやりが心を満たしてくれることもあります。

満足しないものに、足るを知りなさいという言葉をかけるのを耳にすることがあります。「足るを知る」だけを辞書で引くと、ないものねだりせずにあるもので満足しなさいよ的な意味がほとんど。でも、満足というものは心が満たされなければ得られるものではないのですよね。足るを知るは老子の言葉の一部なのですが、本来はこんな意味ではなかったと思うのです。

知人者智、自知者明
勝人者有力、自勝者強
知足者富、強行者有志
不失其所者久 死而不亡者壽 by 老子

人を知る者は智、自ら知る者は明なり
人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し
足るを知る者は富み、強めて行う者は志有り
その所を失わざる者は久し 死して而も亡びざる者は寿し

「足るを知る」が記されている原文と書き下し文です。この書き下し文を、いろいろ調べもって解釈してみました。(注:あくまで個人的な解釈です)

人を知るものは智慧(ちえ)があり、自分自身を知るものは智慧を超えた明(ものを見通す賢さ)がある。人に勝つものは力を持っているが、己に勝つものは本質的な強さを持っている。本質を知り有ることを知るものは真に豊かで、足ることを知ったうえで努力を続けるものは志を持っている。これを知り本質を見失わないものは長じ、たとえ死んでもその志は亡ばず、その志を引き継ぐ人も現れるかも。これが本当の意味での長寿ですね。

お客様を満足させることができるものは自分の中にあり(自知者明)、でもそれを最大限に発揮できるには、まずお客様をよく知ること(知人者智)。その経験が足るに値し、努力をし続けることが、このお仕事の使命につながっているってことなのだろうと理解しました。

人を知る者は智が始まり。ギフトをする人やその相手、その思いも含めて理解することから始まるのでしょうね

ご満足いただけるよう頑張ります

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友人・知人が贈る端午の初節句お祝い

端午の節句祝いと言えば、鎧兜こいのぼりなどですが、初節句の五月人形は、嫁の実家から(最近では両家の折半であったりとか自分たちで用意するなど多様化しています)、こいのぼりはお仲人さんや親せきが贈りるのが一般的とされてます。親戚がたくさんある場合は、重なってしまうと飾る場所にも困りますから相談してということも多いようです。

五月人形やこいのぼりは飾る時期も早く、春分後の十五日目の清明(二十四節気で2018年は4/5)が良いとされてます。ですので、家族親戚が用意するというのがベストなのでしょう。

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さて、身内家族でなくご友人・知人が端午の初節句をお祝いする場合はどうしたらよいのでしょうか。
家族ぐるみでお付き合いされているなら、ぜひお祝いしたいところですね。お祝いの品は、こいのぼりや兜などのように飾る日を考える必要のないものであれば、お祝い膳の日にプレゼントするのもよいでしょう。折角のお祝いです。ものには心が宿りやすいですから、現金よりも、何か心をこめて選んだものを贈ります。お祝い品の金額の目安は、親族・お仲人さんなら1万円~2万円、友人は5千円~1万円程度。ご参考になれば幸いです

端午の節句祝いのマナー↓↓


クリスタルオブジェ 鯉登(りとう)

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周年記念のお祝い品に代表者名は入れる? -お問い合わせより-

創立10周年を迎えられる取引先にお祝い品として時計に文字入れをご検討されている方からのお問い合わせです
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彫刻サンプルを見ていると代表者名が入っているのですが
これは入れるものなのでしょうか?

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お問い合わせでお話を伺っていると、サンプルを見てくださったのは『就任祝い』の彫刻サンプルでした。就任は役に就かれたということでお祝いするので、役職や人が主になってきます。ですので、社名のほか、役職名、お名前が彫刻されたものは多いです。

一方、会社の創立記念や周年のお祝いとなると、少し様相は違ってきます。
周年を迎えられたのは、会社です。会社を支えられている方皆様へのお祝い品として考えれば、社名だけでよいのではないかと思います。ちなみに、弊社での周年祝いでは、殆どのご依頼者は代表者名を入れていません。殆どということは、入れる事例もあるということです。

取引先との関係性にもあるのかもしれません。例えば、「代表者が一代でここまで築かれてきたということ」をお祝いされるのであれば、会社だけでなく、その代表者にもクローズアップするので、代表者名を入れるのは思いも伝わって素敵なアイデアだと思います。

周年記念品、周年祝いの選び方
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ガラスの歴史  ローマンガラス

古代メソポタミアの時代から始まったガラスの歴史。キャスティング(鋳造)やコアガラスと呼ばれるメソポタミアの技法は現代でも使われていますが、ひとつづつガラス芯や鋳造型を作る為、時間がかかり高価なものでした。しかし紀元前1世紀のローマ帝国時代、吹きガラスの技法が発明され、ガラスの歴史は一変します。

現代では、ひとつづつ成形する吹きガラスは、工場で大量に生産できる成型ガラスから比べると手間のかかる製造方法で、とても高価なものですがローマ帝国時代では、画期的な方法だったのでしょう。鋳造やコアガラス技法で製作する際にかかっていた時間は大幅に短縮され大量生産が可能になり、低価格を実現。ごくわずかな裕福な人達しか持てなかったガラス器が一般庶民の器として広がり、日常的につかえるようになったのです。器だけでなく皿や瓶、鉢、置物、窓ガラス、ランプなどにも応用され、これらの品は交易品として世界各地に広がっていきました。

こうなると産業だけでなく、芸術としても発展します。ローマ帝国以前のプトレマイオス朝時代で生まれたミルフィオリなどを受継ぎ、新たに生まれた様々な装飾技法とともにこのローマ帝国時代で進化していきました。

一方、日本では古墳時代にこのローマンガラスなどが伝わったとされています。そしてファンの多いヴェネチアンガラスは、これらを受け継ぎながらうまれ、7世紀前半には中近東一帯を皮切りにイスラム文化圏で、エナメル彩や金彩など美しい装飾技術で高度な発展をとげます。

しかし、これだけ発展を遂げたにもかかわらず、古代からのガラス技法は今も受継がれています。大量生産ができないだけに一般で目にすることはほとんどありませんが、それぞれの技法でしか表現できないものがあり、それに魅了されたコアなファンも多いようですよ。私もその一人です(^^)v

Cirkusbæger-fra-Varpelev DO-2608 original

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もしかしたら1番多い質問かもしれない「贈り主の名前について」

  1. 贈り主の名前を入れるものなのか、入れないほうがいいのか

    2つの視点で考えると見えてくるかもしれません。1つは、ギフトをもらう立場から考えること。ギフトをいただいたときには嬉しかったはずなのに、いつの間にか誰からのプレゼントかわからなくなったものってありませんか?もらったギフトの数が増えてくると、このお皿は●●ちゃんからだったけ?なんてことになってしまいがち。そんな中で、自分に向けた嬉しいメッセージと贈り主の名前が刻まれているものなら、思いも含めてずっと大切にしていきたいですよね。そして、もう1つ、ギフトを贈るときの目的です。相手に喜んでもらいたいという思いは皆さん共通すると思います。喜んでもらいたいけれど、こっそり喜んでいるのを壁際から見たいわけではないと思うのですね。喜んでもらって、より絆を深めたいと潜在的に思っているのではないでしょうか。この2点が当てはまるなら、名入れができるガラス彫刻ギフトなのですから、ぜひ贈り主のお名前を入れてくださいね。ただ、これらに当てはまらないことも多々あります。例えば、結婚の引き出物。結婚のお祝いに贈り主の名前は入れるもの?に困惑エピソードを記載してますのでご参考まで。また、諸事情により、どうしてもお名前を入れたくないといった事例も多くあります。人との関係性は、これと言って一般化できるものではありませんので、周囲との関係も含めてご検討ください。
  2. 入れるとしたら、まとめたほうがいいの?それとも一人一人名前を書くもの?人数が相当に多い場合、「●●会 有志一同」などとまとめることもあれば、全員の名前をメッセージ代わりに彫刻することもあります。グラス全面を使って、ランダムにスタッフのお名前を彫ったギフトのご依頼もありました。また、彫刻面が大きい時計では、短いメッセージで贈り主様全員の名字を残りのスペースを使って入れたこともあります。彫刻面が小さいと、全員のお名前を入れることも多いのですが、そういった場合はメッセージカードにお名前を入れたり、全員のお名前を入れた手紙をご郵送いただいて同梱するといったこともあります。

贈物のシチュエーション、贈り主と先様との関係性、贈り物のアイテムなどで、ベストな方法は変わってくると思います。お名前をどうするのか、彫刻内容をどうしようかといったお悩みの際はぜひご相談ください。

贈り主の名前をいれるもご参考に


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脚下照顧(きゃっかしょうこ)

脚下照顧

きゃっかしょうこ 

禅の言葉で、自分の足元をよく見なさいという意味。
真理や理由は外ではなくて自分にあります。まず自分の足元が見えていないということは自分自身が観えていないということ、それは自分の行く先どころか目的さえも観えていないということです。もしかしたら、目的も持てなくなっているのかもしれませんね。

 

先日、3年ぶりに自宅の庭を耕しました。土壌づくりはほんと大切ですね(超反省)。
忙しいを言い訳に土の再生をしないまま自生する葉野菜などをそのまま放置し、草も適当にしか抜かず、肥料もやらず、水をやる程度のひどい手抜き手入れでした。毎年聞こえていたアマガエルの声が聞こえなくなり(姿は見かけましたが)、あれほどいたバッタやカマキリも減少。猫の額ほどの庭ですし、人の手が入ったものですから、自然の力に任せて再生できるものではありませんね。手入れをしない土地はどんどん痩せていって、育つものもなくなります。

今年は、以前のようなカエルのいる元気な庭にしようと、かなり深いところまで耕してみました。そうしたら、びっくり。下のほうはかなりの粘土質でレンガの破片や大きな砂利で埋められてました。根を張る植物は成長しない理由がわかりました(^_^)

放置しててなんなのですが、自分の足元(土の中)を知らずして、かえるがいなくなったと騒いでいた自分が全くもって恥ずかしいです。カエルが気付かせてくれたのでしょうか、足元見えてないこと、たくさんありそうです。なにはともあれ、土づくりをして1週間。ふっかふかの土に苗を移植しました。居心地よくして待ってるのでカエルには帰ってきてほしいです

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薄いグラスは安っぽい?(お問い合わせより)

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薄いグラスは、安っぽくみえないですか?

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お酒好きの年配の方への贈り物をご検討いただいていた方のお問い合わせです。
知り合いから進められた薄造りのグラスも検討材料にされていましたが、薄いグラスは安っぽく見えるのではないかとご心配されていました。

薄造りのグラスは、グラスの存在を感じにくく、ダイレクトに飲み物が当たる感じでお酒の味を感じやすく、人気があります。お酒の味にこだわる方にはおすすめのもの。確かに厚みや重厚感はなく、また薄さゆえにガラスのはじいた音は何処か頼りなげで澄んだ音という感じはありません。これを安っぽいと感じる方もいらっしゃいますが、薄造りのグラスの良さをご存知の方にとっては、決して安いものだとは思われないでしょう。

グラスの成型時、実は薄く均一に作ることは技術のいることなのです。素人がガラスを吹くと、かなり厚みのあるものに仕上がります。

それと、もう一点ご心配されていたことは、すぐ割れるのではないかということです。
丁寧に作られた薄造りのグラスは、普通の扱いでは一般的な厚みのグラスとかわりはなく、特に割れやすいものではありません。ただし、薄さゆえに厚みのあるグラスよりは衝撃を受けやすいです。とあるバーではグラスもこだわっていて、薄造りのグラスを取り揃えているのですが、酔っぱらった女性がつい氷と間違えて噛んで割るなどといったことが何度もあるとお話しされていました(^_^;)
また、洗浄も気を付けなければなりませんよね。フォークなどのカトラリーなどと一緒にするなどもってのほかで、洗浄のさいはグラスだけにする必要がありそうです

ちなみにクリスタル素材は、鉛の性質上、薄すぎるととても割れやすいので、はやりの薄造りグラスほどの薄さはありません。またほかの素材に比べ比重が重いので、全く同じ薄さであればクリスタル素材のほうが重厚感を感じます。

まとめ
・良さを知っている人には安っぽく見えない
・お酒の味にこだわる人には、最高のグラス
・扱いが荒い人には、あまりお勧めできないグラス
・グラスの澄んだ音や重厚感を求める人には向かない

こんな感じでしょうか(^^)

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