カテゴリー別アーカイブ: 2.ガラス工芸

イルカのプレート製作中

イルカは、人々に喜びや安らぎを与えてくれる聖なる存在。イルカと触れ合うことで、見失った自分を取り戻した人がたくさんいますよね。

人懐こく愛情いっぱいのイルカが思い出させてjくれるのは、人もまた愛の存在であるということ。愛は人を豊かにしてくれます♥

ということで彫ったわけではなく、イルカ好きさんへのギフトです。

まずは、順にね

デザインをマスクシートに印刷して貼り付け、彫る部分をはがす
そしてパーツひとつづつ彫っていきます


もう少し彫り進め、、、


さらに彫り進め、、、


1個前の写真を表から写してます。
裏からよりはイメージがわかりやすいよね


そしてほぼ完成したところで、イルカちゃんの目を磨き、光を入れました

出来上がりはまた次回

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ガラスの兜彫刻(信玄公の兜)製作過程

昨日のガラスの兜彫刻(信玄公の兜)で掲載したものの製作過程です。原稿の段階から掲載したかったのだけれど、原稿は残っていませんでした。

ご依頼者さんからのご感想で、原稿を見ただけでは想像がつかずお任せするしかなかったということでした。工芸品のオーダーメイドの難しいところですね。ということで、ご依頼者さんから「今後の方のために使ってください」と写真掲載のご許可(名前の部分はモザイクで)いただけました。ありがたいです


工芸彫刻の原稿は、写真のようにすべて線画です。
そして地模様は白抜き(例えば、髪や❖四菱のマーク背景など)なので、想像つきづらいですね・・・


裏面になる兜と弓、太刀と槍などの装飾品を彫り上げ、マスクをはがしかけているところ


目を入れる前。背景が暗く光が強く当たっていると目がないだけに怖いですね(汗)


表から花菖蒲を彫ってます。
ちなみに端午の節句の菖蒲は本来は、花菖蒲ではなく小さく目立たない花を咲かすサトイモ科の菖蒲。この菖蒲は強い香りがあって邪気を祓うとして重用されてました。

こんな感じで進め、最後は文字と目を入れて出来上がりです(^^)

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ガラスの兜彫刻(信玄公の兜)

桃の節句もまだですが、早い方は1月末ごろより準備に取り掛かる端午の節句。愛するお孫さんのために内飾りの兜を探し、こんなものができるのかとお問い合わせいただくことがあります。お写真を掲載OKいただいているものが少なく、イメージが難しいですよね(汗)

1点ものでお写真掲載OKいただいたもの。もう十数年前になると思います。
上のお子さんの初節句には伊達政宗公の兜で、お二人目は武田信玄公
それぞれデザインも含め、完全1点ものです。お名前や記念日と、風林火山などの言葉を彫りました。ご依頼いただいたときは、兜を彫ったことがなく、全く写真もない状態でしたので、お互いに手探り状態でした。それでもご依頼いただき有り難いことです。

兜は身を護る象徴。もう十年以上たちますが、健やかで元気な成長されていること願ってます


兜についている鬼顔部分アップ。ちょっと写真が怖いです・・・ね


裏面からの写真です。お名前の彫刻部分はモザイクかかってます

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工芸彫刻の表現方法「ぼかし」

冬将軍の到来で全国的に一気に気温下がってるそうです。雪が降っている地域も多いのでしょうね。降雪率の低い西宮では雪が降っても滑らないように歩くとか、そんな程度の用心です。しかし、降雪率の高い地域はそうはいきません。そして、今日は日本海側は猛吹雪で荒れるのだとか。どうぞお気を付け下さいね
 
 
さて、ガラス彫刻工芸の表現方法の一つ、「ぼかし」です。
触ってみると段差もなく、文字彫刻をしたり段彫りや立体彫りなどを施したものに比べざらざら感もほとんどありません。微細な砂に圧力をかけてガラス面に当てて彫るのですが、その際の圧力を最小までに下げます。柔らかな当たりになるので、彫れるというよりは、表面に薄い後がつくといった感じです。もちろん、長く砂を当て続けたり、ノズル(砂の吹き出し口)をガラス面に近づけすぎると真っ白になります。ほかの彫刻工芸と違って段差や彫りの深さで表現できない分、白さ加減で表現するしかありません。

今回は彫ったもののみの写真です。

段差がないので明るいところでは見えづらいのですが、暗いところで光に当たるとちょっと幻想的です(^^)

これはオイルランプのホヤで16年前に彫ったものです。当時は彫刻工芸の世界に入ったばかりで、できる出来ないとかの判断ができないし、何が難しいかなんてわからないので、とりあえず彫ってました。とにかく小さいものなので、細かすぎて今では彫ろうなんて思わないかもしれません(汗)


工芸彫刻の表現方法「立体彫り」

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工芸彫刻の表現方法「立体彫り」

ガラス彫刻工芸といっても、「ガラスを彫刻するの?」「ガラスをどうやって彫刻するの?」とか、そもそも「ガラスって彫れるんだ!」とか、イメージできる以前に『?』の多いものです。

ガラスを削るにはいろんな方法がありますが、私たちはサンドブラストと言って、微細な砂に圧力をかけてガラス面に当てて彫る方法をとっています。
(こんな感じ↓↓↓)

(クリックすると動画ページに移動します)

砂がただ出るだけなので、彫らない部分をマスクする必要があります。そのマスクの仕方や彫る深さなどでデザインを立体的に見せることができるのです。ということで、今回は手を彫ったもののご紹介です。

製作1
今回は習作なので、トレーシングペーパー(このままマスクの元にします)に、デッサン。デッサンと言っても、ラインが必要なので、影などは書き入れません

製作2
最初に彫るところをめくります

製作3
指を1本づつ彫ります
指の第2関節のところは、骨を意識して、ちょっとごつごつと

製作4
親指の第1関節までのふくらみと人差し指をめくったところ。指の腹が接したところは、ラインが消えないように指のふくらみを少しづつ掘り下げていきます。ふくらみを出す時に、あり地獄ができないように少しづつ円を描いて角度を少しづつ変えていきます。結構時間がかかりますけど、丁寧にすこ~しづつです^^


製作5
人差し指の第2関節の再彫り込みのため、めくったマスクをはり戻ししてます。はり戻した後、関節部分に向かって彫り込みます。この時あまりラインが出ないように軽く彫ったあと、はり戻したパーツをまた剥いでもう一度彫り込みます。(中指も、この方法で彫ったことで、表から見ると第2関節の部分が出ているように見えています

後は、マスクをめくって、きれいに洗えば出来上がりです(^^)

ガラスを彫ると彫った部分に光が入り、白さが際立ちます(青白い?)そのため、ちょっと怖いです(笑)


工芸彫刻の表現方法「ぼかし」

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ポンテ跡

吹きガラスを依頼するとガラスの中央に小さな傷のような丸い跡が残っています。

これはポンテ跡といわれるものです。吹きガラスは吹き竿でとった硝子のタネに吹き込み、モール型などを使って形作ったり、口を広げたり模様をつけたりして形を作っていきます。その際、吹き竿からポンテ竿と呼ばれる空洞のない竿に付け替えます。

その際、ガラスの底の中央には橋渡しをするための接着剤として小さなガラス種を使用します。このガラス種のことをポンテといいます。最終的にはガラスから切り離すのですが、そのあとが残るんですね。ポンテとはイタリア語で「橋」を意味します。熟練された職人さんは、微量のガラスだけで竿に付け替えるので鉄ポンテともいわれるそうです。

いずれにしても、あとは残ります。
このポンテ跡、きれいに削って磨いたり、手を切らない程度に削るだけにしたりと作家によって処理が違ってます。ある作家さんは、今ポンテ跡を処理をしないでいかにきれいに残すかが腕の見せ所と話されてました。

おへそのようで、残しておくのも良いですよね!
ですが、サンドブラストで彫刻する際に、ポンテ跡が非常に邪魔になることがあるんですね。それで跡形が無いように磨いてもらうのです。

この写真のものはシリーズで吹いてもらったものの一つ。
底面にはサンドブラストの彫刻はありませんが、シリーズのため同じように磨いてもらいました
小鉢

薄く彫られたガラス工芸

昨日のお問い合わせより
彫るというよりは薄ーく削るといった感じのぼかし彫刻。背景が暗いところで光に当てると輝いて見えますが、水にぬれるとほとんど見えなくなるもの。背景が明るいところでもわかりやすい、しっかり彫り込まれた作品を好む人が多いのですが、その繊細さがいいのだと。人の好みは様々ですね。

写真は10年ほど前のご依頼品です
水の華

蔓の縁起

事務所近くの大きな家の奥さまは庭の手入れが日課。
ベランダの柵にはわせたツタの葉はこの陽気であっという間に柵が見えないほどに。でもこまめに手入れされてるので、とても美しいのです。

ツタの繁茂力はすごいですよね。
蔓系のものはその繁茂力や強く絡み合いながらも、どんどん伸張することから隆盛繁栄、子孫繁栄のシンボルとして、 またその生命力の強さから長寿などの縁起に、それに「 縁をつなぐ 」とも言われて重宝されているモチーフで、アトリエピジョンでもよく使用されているのです。

唐草模様も蔓系ですね。ということで、身近なものを見渡してみると、蔓系のものがかなりたくさんありました。知らないうちに縁起もらってたかもしれません(*^^*)

和ガラスセット ほおずき

和ガラスセット(ガラス彫刻工芸作家:東條裕志氏作)