ご質問から
A:ご家族の場合、「ご昇進お祝い」や「ご就任お祝い」どちらでも使えます。部長に昇進されるまでの努力をご存じのご家族なら、役に昇進したことが大きな意味を持つでしょう。一方、家族経営されていて会社の代表に就かれた場合は、その役に就くことでさらなる発展を願う思いが主となるのではないでしょうか。そういった場合は「就任」を使うとよいですね。
また、お祝い品がメッセージ入りのものだと、熨斗には単に「御祝」とされる方も多いです。
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「就任」と「昇進」、言葉が似ているので迷ってしまうところですが、それぞれに持つ意味は違います。また同じ「昇」とつく昇任や昇格、昇級などの言葉もあり、さらに複雑になりそうです。
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まずは、それぞれの言葉をWEB辞書で引いてみると
昇進:官位・地位があがって行くこと。
昇任:役が上になること。また、上の官にのぼせること。
昇格:格式・地位などが上がること。
この辞書を元に、ご利用いただく事例と、のしの表書きや彫刻の文言になる言葉のご案内しますね。下記記載の<利用例>は、アトリエピジョンでご依頼いただいたシーンです
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● 就 任
新しく任務・職務につくことで、必ずしも昇進が伴うわけではありません。例えば、営業部長が人事部長に移動などの横滑りのときでも、人事部長就任のように「就任」を使います。職業は伴わず、プロジェクトの代表や議長に就くときも「就任」といいます。
社内、社外問わず、新しい職や役に就いたときに広く使われる言葉です。
お祝い | 胡蝶蘭が広く知られているお祝い。その他高級ワインやブランド牛などの高級食材も。記念に残るものとしては、記念盾や置時計などが人気で選ばれている。 |
タブー | 現金、ネクタイや万年筆・腕時計・ベルトなどの身に着けるもの。 |
のし | 「御就任御祝」「祝 教授ご就任」など |
利用例 | 取引先の新社長就任に時計に文字入れでお祝い、同門の教授就任にお祝い |
参考記事:上司への贈り物のタブー-お問い合わせより
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● 昇 進
社内での職位(役職)が上がること。平社員から主任といった肩書がつくことから役員の職位があがることまで幅広く使われます。「昇進」は主に社内や家族など身内で使い、先様が取引先の場合で役員以上などの重要な役への昇進は就任を使うのが一般的です。
お祝い | 家族や同僚など身近な人たちがお祝いの食事会を開いたり、ちょっとした記念品を贈ります |
タブー | 上司や年配の方への配慮は上記就任と同じです。部下への贈り物は万年筆など身に着けるものもOKです。 |
のし | 「昇進お祝い」「御昇進御祝」「昇進記念」など |
利用例 | チームメンバーの部長昇進にメンバーから記念品、家族からお祝いとさらなる活躍を祈ってメッセージ入り地球儀の時計。取引会社の担当者の昇進に置時計のプレゼント |
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● 昇 任
公務員などの公的な仕事で使われるもので、官位に就いたり役が上がること。一般の会社では昇進にあたるものです
お祝い | 家族や同僚など身近な人たちがお祝いの食事会を開いたり、ちょっとした記念品を贈ります |
タブー | 上司や年配の方への配慮は上記就任と同じです。部下への贈り物は万年筆などすぐに役に立つものがお勧め |
のし | 「御昇任御祝」「御祝」 |
利用例 | 部長から局長への昇任のお祝いに有志でフォトフレームの記念品、同僚からガラスの寄せ書き |
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● 昇 格
社内での資格や評価が上がること。昇進と間違われやすいのですが、肩書がついたり上がるものではなく、その人の格式や階級が上がることをさします。評価方法のひとつで職能資格制度を取り入れている企業があり、この評価によって給与や役職を決定します。昇格しても必ずしも昇進が伴うものではないので、肩書はそのままの場合もあります。また、昇格しても社外の人にはわかりません
お祝い | 社内アワードで表彰したり、身内でお祝い会をします。記念品授与や金一封も |
のし | 「記念品」「御祝」など |
利用例 | 社内アワードで昇格記念として階級をいれたペーパーウエイトの記念品、ロゴと資格を彫刻したジッポーやカードホルダーなど |
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● 昇 級
文字通り等級があがることで昇格と同様の意味に使われます。会社独自で設けられた制度などで等級を使用している場合に使われていて、等級を使ったものでも「昇格試験」などという場合が多いです。また、公務員の給与は○級○号給と示され、昇格はこの〇級が上がることで、昇級は号給が上がることを示します。
お祝い | 社内アワードで表彰したり、身内でお祝い会をします。記念品授与や金一封も |
のし | 「祝 ●●等級取得」「 ●●級合格お祝い」など |
利用例 | 社内制度での昇級に等級をいれた記念品、柔道の昇級お祝い |
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